
離婚の際に約束をして支払われるはずであった養育費がある日突然支払われなくなってしまうことがあります。
そうしたときにどうすればいいのでしょうか。考えられる対応をいくつか紹介します。
養育費が家庭裁判所で行われた調停・審判で定められている場合には、家庭裁判所に申出をすれば、裁判所で取り決めをした養育費を払うように裁判所が促します。履行勧告のいいところは、さほど手間がかからず、養育費を支払いを督促できることと、なぜ支払わなくなったかの確認ができることです。
ただ、履行勧告にも拘わらず、相手が養育費を支払わない場合には、自分で相手方の財産を見つけ出して強制執行(差押)をするしかありません。
養育費支払義務等の支払をしない人の財産を差し押さえる手続きをする必要があります。
強制執行を行うためには、養育費について、裁判所で判決、審判、調停を経ているか、公正証書において合意を得ておく必要があります。合意の文言によっては、強制執行ができなかったり、強制執行の際に手間がかかってしまうこともあるので、合意の文言に注意をする必要があります。
また、差し押さえをする場合には、差押の申し立てをする人が差し押さえるべき財産を特定して裁判所に申立てをする必要があります。この財産の特定というのが思いのほか大変なのです。この財産の特定というのはどの程度かというと、給料であれば実際に勤めている会社(あるいは個人事業主)の住所と会社(個人事業主)の名称(そして資料として会社の登記。)を明確にする必要があります。預金であれば原則として銀行名と預金口座がある支店名等までを特定する必要があります。
養育費等の継続的な支払いを求める債権のために預金の差押をする場合には、その都度差押の申立てが必要です。
このように差押は強制的に金銭を支払わせることができますが、実際に差押えをするとなると困難な場合もあるのです。
強制執行で差し押さえるべき財産を特定することができない場合、裁判所に申立てをして、養育費等を支払わない人に財産状況を明らかにするように命じる手続きです。令和2年(2020年)4月に民事執行法が改正されて、以前よりは使いやすくはなりました。ただ、養育費を支払っていない人が正直に財産状況を開示しなかった場合等課題もあります。
支払われない金銭を回収するというのは手間もかかり、場合によっては回収できない可能性もあり、回収できるにしても手間がかかります。養育費のように、長期間にわたって支払いを受け続けるものであれば、なおさら将来に渡って支払いが続くのかは不確実です。もちろん約束をしておきながら、支払いをしないことが認められるわけではありませんが、金銭の支払をうける約束をする際には、将来支払いがされなくなる可能性もあることもある程度は念頭に置いてどのような約束をするのか決める必要があります。